赤道祭り

先日、ぼくが乗っていた遠洋マグロ漁船「第36合栄丸」の元漁労長、山田勝利さんから、新聞が送られてきた。2007年12月20日の高知新聞で、《わが町の100年 室戸の遠洋漁船1980年ごろ》というタイトルのコラム記事で、とても懐かしく読ませていただいた。
そこに赤道祭りのことが詳しく書かれているので、ここに紹介させていただく。
《きずな深める赤道祭り》
カツオのたたきに空揚げ、すし、そうめんなど豪勢な料理を車座になって囲む男たち。1980(昭和55)年ごろ、室戸市の旧室戸漁協に所属する遠洋マグロ漁船「第36合栄丸」がインドネシア付近で赤道を通過する際、航海の安全を祈った「赤道祭り」の光景だ。
県鰹鮪漁協(現・県まぐろ船主組合)がまとめた漁獲統計によると、昭和55年の所属隻数は140隻、水揚げは約350億円。当時は本県の遠洋鮪漁業の最盛期だった。
写真左奥で酒を飲んでいるのが当時の漁労長、山田勝利さん(69)=同市吉良川町。山田さんによると、料理を作ったのは炊(かしき)を勤めていた斎藤健次さんで、斎藤さんは後にノンフィクション「まぐろ土佐船」を書いた。
赤道祭りの意義について、山田さんは「乗組員は室戸だけではなく全国各地から集まった人たち。酒を飲みながら話して『この人はかなりベテラン』『こっちは経験が浅い』とか、互いに”品定め”するんよ」と話す。
一歩間違えれば命を失いかねない危険な現場。きずなを深め、うまく連携を取るための大事なうたげだった。写真に写っている漁師のうち、既に数人はこの世を去った。「当時はつらいこともあったが、人生をやり直すとしても、もう一度彼らと赤道を越えたい」と山田さん。しみじみと当往時を懐かしんでいた。
(2008年2月7日)
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